東京という地域性

こんにちは。仲間です。

建築デザイン界隈ではときどき「地域性」という言葉が使われることがあります。
これは主に特殊な気候風土や文化を持つ地域において、その特徴を指す時に使われる表現です。
例えば、沖縄の台風対策で積まれた石垣の街並みや、白川郷の雪を滑り落とす急勾配の屋根など、その地域の気候風土に対応したデザインが、「地域性の表れたかたち」と言えると思います。

では、そのような特徴的な気候風土を持たない”東京”には地域性はないのでしょうか。

以前あるイベントで全国各地の工務店の方々に、やどりの東京都内で作った家を見学していただく機会がありました。その見学の最中、何度も「東京っぽいね」「東京って感じだね」「東京らしい」といった言葉が聞こえてきました。地方地域から来たからこそ、自分たちの家づくりとの違いから東京の地域性を感じていたようでした。もう少しその声に耳を傾けると具体的に何に対して地域性を感じているのか分かってきました。

・喧騒(人や車通りの多さ)
・住宅密集地
・狭小敷地
・厳しい法規制(道路斜線、北側斜線、高度地区)

などなど、。
言われてみれば、東京らしい特徴なのかもしれない、と気付かされました。
そして東京で家づくりをする上では、これらの地域性に対して真剣に向き合わなければなりません。(雪国の雪対策のように!)

今回地方から来訪して頂いた方々のように、それぞれ拠点とする場所の地域性を熟知し、それらに対応しながら家づくりをする工務店を「地域工務店」といいます。
そう考えると、やどりは「東京の地域工務店」といえるのかもしれません。

これからも東京という地域性と向き合いながら、東京ならではの快適で愉しい住宅を作っていきたいですね。
(仲間)