スレート屋根のメンテナンス

今回は屋根のメンテナンスについてです。
現在の屋根の仕上げはガルバリウム鋼板を標準としていますが、
ガルバリウム鋼板が標準になる前は、スレート板で仕上げていました。
スレート屋根は、一般的にコロニアルとも呼ばれます。

スレート屋根は、新築から10年~15年のうちに塗装をすることをお勧めしています。
今回は、築17年のお宅で屋根を塗り替えた時の写真を参考にご紹介します。

屋根を塗り替える際には、最初に高圧洗浄をかけて汚れを落とし、塗料が定着するようにします。

左上は洗浄前、右下は洗浄後です。
はっきりと色が違いますね。黄色く見えるのは苔です。
スレート屋根は表面の塗装が劣化すると水はけが悪くなり苔が生える事があります。

また、日の当たり方によっても劣化具合が異なります

写真右側の東向きの面は、塗膜が落ちて全体的に白っぽくなっています。
北を向いた屋根の方が塗膜の劣化が少ないことがわかります。

こちらは南側の屋根です。
塗膜の劣化具合は一目瞭然ですね。
日当たりの多い南側は劣化が進んでいます。

もう一つスレート屋根の劣化の特徴としてこのような縦割れや、
スレート板の端が欠けることもよくあります。

見た目が気に なるのは端が欠ける方かもしれませんが、注意すべきは写真のような縦割れです。
スレート屋根は板材を下から上に向かって施工していくので、スレート板を固定する釘穴(防水の弱点)を、上のスレート板で覆うことで雨漏りを防いでいます。
この縦割れが進行すると、割れた隙間を伝って釘穴に雨が到達し雨漏りを引き起こす要因となります。

縦割れのある板には板金を被せて雨漏りを防ぎます。

雨が降っている時の写真なのでわかりにくいかもしれませんが、
下から2列目、手前から2番目の板に板金を被せています。

その他の経年変化としては、写真にある「棟包み」という板金部材を抑えている釘が抜けてくることがあります。
これは、下地の木材が湿度によって動き釘が押し出される事が原因です。
スクリユー釘という抜けにくい釘を使ってはいるものの、このように抜けてしまうと台風の時に飛ばされてしまいます。

この写真のように、風に煽られて棟包みの釘が抜ける事もあります。
近年の大型台風の被害で最も多いのが、棟包みが飛ばされてしまう被害です。
この被害を防ぐためにも、近年は足場を掛けた際には棟包みの釘をビスに打ち換える事を提案させていただいています。

せっかく足場を掛けるので、このように屋根全体を確認して今後の不具合の要因を解決していきます。

屋根の塗り替えは、下塗り・中塗り・上塗りと計3回塗装を行い完了です。

スレート屋根は劣化が進むと塗り替えが出来ない状態になってしまいます。
新築や前回の塗装から10年が経過した場合は、塗り替えをご検討ください。

佐久間