丸ノコ(マルノコ)

電動で円盤状の刃が回転するノコギリのことを、「丸ノコ」と呼んでいます。原理は簡単で、電力でモーターを回転させ、刃の付いた円盤を回す仕組みとなっています。刃のサイズによって製品のラインアップは変わりますが、一般には直径165ミリ、やや小さめの直径125ミリがよく使われます。直径が大きいと刃の数が多いせいか、比較的きれいに切れます。ただ、その分全体の重さが増して、使い勝手や肉体的な負担が変わってくるので、木材の種類・用途などに応じて選び分けています。

 

コード付き丸ノコが主流だった時代は、電源の延長コードとつなぐ準備が不可欠でした。また、複数の作業が同時進行している現場では、他の作業に影響が出ない場所に設置した作業台で木材を切ってから、実際に使う別の場所まで繰り返し運ぶ必要がありました。ところが、コードレスになったことで、電源コードをつなぐ準備がなくなったばかりか、実際に木材を使う現場の近くで加工できるようになり、運ぶ時間まで大幅に節約できるようになったのです。私個人の間隔では、作業効率が2倍近くになったケースもあります。

 

進歩の鍵は、なんといってもバッテリー性能にあったと思います。小さなサイズながらもパワーと持続性が増していったことで、より使い勝手が良くなっていったのです。さらに最近は、もっと高機能の製品が登場しています。スマホでよく使われている、ブルートゥースの通信機能を搭載したものが出てきました。スイッチを入れた丸ノコが、刃を回転させると同時に信号を発信。近くに置いた木くず集塵機に信号を受信させ、必要なときにだけ木くずを自動吸引するのです。作業環境を美しく整えることが、より美しい家づくりに繋がると私たちは考えています。ですから、こうした新機能を使い続けるのも楽しみなのです。

 

上井戸 健一