創建舎が手掛ける住宅で、断熱材を貼り付ける仕事をしています。
ひと口に断熱材と言っても、実はいろいろな種類があります。
私が創建舎の住宅で使っている断熱材は、セルロースファイバーと呼ばれるもの。
印刷したにも関わらず販売されなかった、新古紙という新聞を細かく砕いた素材で、優れた断熱効果と湿度調整の効果を持っています。
施工するときには、まず不織布で建材の内側の面を覆います。
たとえば四角い面であれば、最初に二人一組で四隅を留めてから、一辺ずつ端から隙間ができないように留めていきます。
そして、四辺すべてを留めきった後、建材との間にできた空間にセルロースファイバーを吹き込んでいくのです。
この「エアタッカー」は、不織布を留めるときに使う道具で、エアコンプレッサーと接続して使います。
基本的な構造は文房具のホチキスとほぼ同じで、コの字状の針を強い空気圧で打ち込むことができます。
断熱材は、竣工後には見えなくなります。
しかし、住まわれる方の快適な日常生活はもちろん、住宅の長寿命を支えるために、一日24時間、ずっと機能し続けるものです。
ですから私は、とにかく丁寧に仕上げていくことにこだわっています。
私に仕事を教えてくれた先輩からも、「ゆっくりで構わない。とにかく丁寧に」と教えられ、近年では同じ言葉を後輩に伝えています。
セルロースファイバーを吹き込む厚さについては、メーカー推奨値が設けられています。
ただ、創建舎の設定は推奨値の2倍近い厚さなんです。
他の断熱材よりも優れたセルロースファイバーの特長を、最大限に引き出すためです。
見えないところに手を掛けるこの姿勢に、やり甲斐と誇りを感じています。
現在、私は社内起業をして、設計と断熱効果をリンクさせた事業を始めるプロジェクトと進めつつあります。
今後は、創建舎の住宅を始め、いろいろな場所で良い家づくりの意識を広めていきたいと考えています。
株式会社ニシムラ・由地 悟