普段、現場監督として仕事をしています。
現場に出るときに持っていく道具の中で、特に私がこだわっているのが文房具類です。
短めの指矩(さしがね)や三角スケールといった道具は、
図面通りに工事が進められているか確認するときに使っています。
三角スケールは図面の縮尺に応じた長さが記されていて、
ひと目で実寸と比較できるようになっている便利な道具なんですよ。
筆記具は、製図用のシャープペンシル、鉛筆、赤と青とブルーブラックのボールペン、
マーカー、油性マジックなどを使い分けてます。
ノートや図面に書き込んだり、木材に印を付けたり、といった具合にです。
ここまで種類をそろえる必要はないのですが、もともと筆記具が好きなんです。
中学生くらいから凝り始めて、高校時代には30本くらいの筆記具を詰めた巾着を持ち歩いていました。
今でも、事務所の机に置いたペンケースには、やはり30種ほどの筆記具を差しています。
文房具を入れるケースにもこだわりがあります。
いろいろと試してきた結果、丈夫なコーデュラ素材を使っていて、
カラビナで腰に吊せる製品にたどり着きました。
この2つの条件を満たすケースは他にもあります。
ただ、入れる文房具のサイズや出し入れのしやすさを踏まえると、
しっくりくるものは意外と少ないんです。
使い勝手も同じで、結局、カラビナはより使いやすいものに付け替えました。
気に入ったものは、長く使い続けます。
時間とともに味が出てきて、愛着が湧いてくるところが好きなんです。
木造の家にも似たところがあるように感じます。
木のぬくもりの中で、住まう家族の色に染まっていく……。
関わる人たちの思いを繋げながら、現場監督の仕事も長く続けていきたいと思っています。