どうも、仲間です。
先日、国立新美術館で開催されている「リビング・モダニティ」
展示されている作品はどれも、1920〜
この時代の住宅界は、新しく出てきた鉄、ガラス、
そんな社会的背景に呼応して建てられた住宅には、今見ても学びになる点が多くありました。
□こうするしかない から こんな事もできるへ
近代以前は、その土地の気候風土や周辺で取れる材料の範囲内で建築が作られていました。
ですが近代に入り工業化が進むと、世界中どこでも均質な材料(鉄、ガラス、コンクリート)が入手可能になりました。またエアコンなどの機械空調が普及した事で、暑い地域でも寒い地域でも、同じ材料同じ形の建築が成立するようになりました。(なってしまった?)
そんな状況になると、西洋では何百年と続いた石造り組積造で小さな窓の住宅から脱却し、細い骨組みで、大きなガラス窓を設けた明るい開放的な住宅が建ち始めました。
当時の建築家の気持ちになると、そういった設計がしたくなるのも分かる気がします。

ミース設計のローハウスの原寸モックアップ。細い柱に支えられた屋根は浮いている様にすら見えます。
□現代の当たり前を作った先人達
展示されている作品を見回ると、一世紀近く前に作られたとは思えないほど「新しさ」を感じます。それだけ当時の建築家の感覚は時代を先取っていたのだと思います。こういった歴史に残る名作住宅の革新的な取り組みは、現代の私たちの暮らしには何ら関係ないようにも思いますが、知らず知らずの内に「美しい」「かっこいい」と感じるものの価値観を変え、社会が求めデザインを変え、大衆に普及する住宅の在り方に影響を与えている様な気がします。

ムーラッツァロの実験住宅。明るく健康的で衛生的。時代の求める理想をの暮らしを体現している。
住宅好きの僕としては、いつまでも見ていられる非常に充実した内容の展覧会でした。
先人たちが築いてきた暮らしの形を再確認できた良い時間でした。
この様な学びをどう現代の住宅設計に繋げていくか、これからゆっくり考えていきたいと思います。
(仲間)
P.S.
ちなみに展示品の中で最も見入ってしまったのが、ルイス・

フィッシャー邸。木や石など古来からある材料を使いつつもモダンを感じる名作。
(つづく)